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第1章 １

グラウンドを進む涼子は、その真ん中あたりに来たところで、ふとその歩みを止めた。

足元を見れば、先ほどの夕立が、水溜りをつくっている。

そこに、白の半袖のＴシャツに黒のトレパン、白いスニーカーを履いた、自分の姿が映っていた。

しばらくの間、涼子はそれをぼんやりと眺めた。

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長い黒髪は前髪をやや残して、残りを頭の後ろでひとつに束ねて、涼子はそれをポニーテールにしている。
　
顔の輪郭は、耳元から細い線を描いて始まり、やがて綺麗に尖った顎先で結ばれる。

そこに収まる涼子の顔立ちには、これまで多くの男性から、幾多の賛辞を添えられてきた。