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第1章 １

その目尻を流星の尾の如く、美しく尖らせた二つの大きな目は、涼子を見つめる者また涼子に見つめられる者を、常に魅了する。

それは一本一本が弓のように撓（しな）った長い睫毛を添えて、その上には細い眉が走っている。

見映えのする高い鼻は、その下にある薄い唇と相俟って、二十五歳という年齢には少々相応しくない、妖艶な色香を漂わせている。

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多くの男性によって賛辞を添えられたのは、その顔立ちだけではない。

そのスタイルも、また然りである。

身長は、二十六歳女性の平均を大幅に上回りながらも細身で、そして女性の魅力的な部分は相当の存在感を放っている。

バストはその張りを保ってることが奇跡的の思えるほどに大きく、またヒップはそれを眺める者に時として息苦しさすら与えるような、ある種の圧迫感に溢れていた。

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涼子は思う。

自分の容姿に自惚れるような愚行には、決して陥りたくはない。

付け加えるなら、涼子がこれまでに、自分の美貌を遊び半分で乱用したことも、一度もない。

ここで恋愛経験について多少詳らかにしておけば、今までに付き合った人数は三人で、目下のところ恋人はいない。

また――少なくとも先日までは――セックスの経験人数は二人で、その相手はその当時に付き合った男性だ。