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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第11章 11
レンヤが身体の両脇に下げていたその両手を、ゆっくりと動かした。

               ☆☆☆☆☆ 

右手は、涼子の腰に回った。

左手は、涼子の頭の後ろを掴んだ。

               ☆☆☆☆☆

そうやって、涼子を柔らかく――しかし半歩たりとも動けないように、しっかりと捕らえたその後、レンヤが長く閉ざしていた唇を、ついに動かした。

               ☆☆☆☆☆

レンヤの唇は――まずはそれまで以上に平たく、そして前に突き出すように形を変えて、その突き出された唇が、涼子のうっすらと開いた唇の隙間に、押し込まれた。

レンヤはそんな具合に、自身の唇を涼子に“咥えさせた”その次に、唇をゆっくりと開いていく。

涼子もまた――その開かれていくレンヤの唇に合わせて――レンヤよりも一回り大きく
唇を開く。

やがて涼子の唇は――レンヤの唇に導かれて――まるで遠くにいる誰かに声を飛ばすみたいに――大きく開かれた。

そこでレンヤは(ようやく)自身の唇を止めた。

それからレンヤが一呼吸置いて、その後のことだ。

レンヤの熱く柔らかい舌が――密着し合う二人の下唇を乗り越えて――彼の口から涼子の口へと、移った。

そしてレンヤの舌を、口の底で佇(たたず)む自分の舌で受け止めたその瞬間、涼子は――“直感的”に――思った。

(違う――ッ!!??)

それは本当に、“直感的”だった。

               ☆☆☆☆☆

挙げ句、涼子のその“直感”は、当たった

その後、涼子を翻弄したレンヤのキスは、今までのキスとは――無理矢理されたキスとは――まるで違った。
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