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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第11章 11
涼子はしばしの間、そんな具合でレンヤの唇を舐った後、次は舌を細やかに出して、その舌先を左右に揺らした。

固く閉ざされたレンヤの、その唇の隙間を舌先で何度もなぞった。

何度もなぞりながら――心の中で何度もレンヤに訴えた。

(レンヤ君、キスしよう……レンヤ君、キス……しよう……)

だがふと涼子は、『キス』という“条件”だけに注目すれば、既に自身の目標は達成されていることに思い当たった。

既に唇は、重ね合っているのだから――それでも涼子が十分な満足を得られていないのなら、その“条件”が不適切なのだ。

そんなことを考えた時、先達て体育倉庫で眺めたマモルと真由子の、こんな会話が思い起こされた。

               ☆☆☆☆☆

二人が“クンニリングス”に、興じようとしていた際のものだ。

「ねえ真由子……このグッショグショのオマ×コに、どんなキスして欲しい……?フレンチキス……?それとも、ディープ・キス……?」

「えーーっ!?……マモル君ったら、何言ってるの……??」

真由子は確かそれから束の間思考して、こう答えた。

「……どっちも、して欲しい……」

               ☆☆☆☆☆

確かその時、涼子はそんな二人を“冷ややかな目”で、眺めていた筈だ。

そんな自分を、涼子はしっかりと覚えていて、故にこれから――求める先は秘部ではないにせよ――真由子と同じ要求をレンヤに突きつけようとする自分を、深く恥じた。

尤も――フレンチキスは、もう終わった――だから……。

涼子は――先ほどと同じように――“声に出さない”上で、レンヤに重ねた唇を、こう動かした。

「――レンヤ君、私……ディープキスが、したいの……――」

その、刹那のことだった。
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