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第15章 １５

結局、涼子の“阿諛（あゆ）”は――やはり『柄ではなかった』のだろう――失敗に終わった。

“言い訳”になるどころか、（真由子よりも）破廉恥な自身の乳首をレンヤと、涼子自身に認識させた挙げ句、レンヤの更な揶揄を煽って、涼子としては羞恥を深めただけだった。

付け加えるなら――本来の目的ではなかったものの、“クンニリングス”に繋がる展開にも、至らなかった。

どうやら涼子が、“実は”心待ちにしている“その行為”は、もう少し先――まだ“お預け”らしい。

　　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

レンヤは今もなお、涼子の右の乳首を――勃起した乳首を“意地悪く”、だからこそか実に楽しそうに、眺めている。

全く忌々しい話だと、涼子は思う。

レンヤの“意地悪”な微笑みもさることながら、そんなレンヤを見て――楽しそうなレンヤを見て、例えほんの少しでも密かに喜びを感じている自分が、何よりも忌々しい。

勃起した乳首を“意地悪く”見つめられて、喜んでいる自分が忌々しい――などと、自身に苛立っているうちに、レンヤがその唇をまた、涼子に重ねた。

「んんッ――」

涼子はそれを――これもまた忌々しいことだが――小さな、でも『甘い悲鳴』を上げて受け止める。

　　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

然る後、レンヤの唇から、温かい舌が溢れ出た――それは溶けたチーズのように――トロリ……と、涼子の唇から中に流れ込んできた。

その“優しい”感覚に誘われて、涼子は“思わず”その“チーズのような舌”に、自身の舌を突っ込んだ――ズコッと、はしたなく突っ込んで、

「んふっ……」

と、少々品のない鼻声を漏らした。

その後にじっくりと絡み合わせてみれば、やはりまた、

――ねちょっ、ねちゃっ、ねちょっ、ねちゃぁっ――

と粘り気のある音を立てる――その音とともに、全身をピリピリと走る快感に魅了されて涼子は、

「んく――んんっ……んくッ、ん、んふぅ……ん、くふっ――んむっ、むぅん……」

と穏やかに悶えながら、今一度そんな自分を、忌々しいと思った。