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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第16章 16
『嫌な予感』は、当たった。

涼子の右肩から、真直ぐ下がるレンヤの二本の指先は、バストの稜線を寸分も凹ますことなく――また“じりじり”とした速さすら最後まで保って――涼子の肌を“優しく”撫でた。

しかし、やはりレンヤは涼子の予想通り、涼子の期待を裏切った。

レンヤの二本の“揃った”指先は――レンヤのネットリしたキスを受けた挙げ句として――ウズウズと疼く涼子の、その乳首に触れるその直前で、二つに“枝分かれ”した。

(やっぱ……り……)

涼子は単純に、そして自分でも“情けないくらいに”落胆する――落胆と同時に、愛撫をまたもはぐらかされた、自身の乳首にすら同情してしまう。

そんな涼子の一方でレンヤは、乳首の脇を通り過ぎた人差指と中指をバストから浮かせて、涼子の右肩に戻した後、涼子の唇から離れた。

例の如く、“意地悪な微笑”とともに涼子の顔を眺めて、言った。

「先生……今、すっごくガッカリした顔になってるよ……?どうしたの?」

(決まってるでしょ……?あなたが私の乳首を、可愛がってくれなかったからよ……)

涼子はまず、心の中で落胆の理由をそう呟いた――が、程なくして涼子は、寧ろこの理由を黙っておくことが彼の“意地悪”に屈しているように思われて、だから一言、

「あなたは本当に、“意地悪”ね……?」

と、レンヤを軽く睨んで呟いてから、落胆の理由を正直に、打ち明けた。

「あなたが……乳首を……“可愛がって”くれなかった、からよ……」

続けて涼子は――込み上げてくる羞恥心を必死で抑え付けながら――今の涼子にとっては“切実”と言ってもいいその願望を、レンヤに伝えた。

「ねえレンヤ君、もう“意地悪”しないでッ……もう、焦らさないでッ……私の乳首、可愛がってよ……」

『私の乳首、可愛がってよ……』――今更ながら、そして我ながら――二十六歳の女教師が、十八歳の男子高校生にする嘆願としては、適切とは決して言えない。

涼子はそう思った――だから涼子の言葉を聞いて、レンヤがクスクスと、面白そうに笑うのも、当然だと思った。

でも――レンヤが笑ったその理由は、涼子が推測していたものとは、少々違った。
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