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暗い部屋の中の 水音
第4章 真奈美
「真奈美 元気? 仕事はしてるの?」
母から 突然電話が掛かって来た
別れて4年目の事だった
「・・働いてるよ・・元気・変わりないよ」
母と別れてから 初めての電話だった
「修さんのお母さんから 泣きながら電話が有ってね 修さん
一度東京に戻って 少ししたら 又沖縄に行ったそうなの
修が・・・って言って・・過労で倒れて 危なかったらしいの
お母さん 急いで駆けつけて 修さんの服を取りに部屋に行って
机の上に 貴方宛ての手紙を見つけたんだって お母さん
手紙の中を読んでね それでね こちらに送って呉れたの
送ったから 明日位に届くから 元気でね」
母はそう言うと 電話を切った
翌日真奈美の許に 手紙が届き 開けてみると 修からの手紙だった
真奈美
一度の過ちを許せなかった 僕を許して欲しい
君から 言われた時 目の前が崩れ 何も見えなく成り
怒りだけに振り回され 酷い事を言った 僕を許して欲しい
君の居ないこの部屋で 楽しかった頃の真奈美との思い出に
涙が止まらない
何故 あの時許さなかったと 今でも悔やんでいる
真奈美の居ないこの部屋は
凄く広くて 凄く寒くて 凄く寂しい
この部屋に帰ると 何故あの時許さなかったと思い
涙が止まらない
割れた鏡で映る二人が 許に戻れないことは
判って居る でも 出来たらもう一度
綺麗な鏡に映る 二人を見たかった
君と一緒に居たかった
まだ君を愛している ごめんひどい言葉を
投げつけて
真奈美 御免なさい
一度の過ちを許せなかった 僕を許して欲しい
もう一度 真奈美の声を聞きたい 電話を待って居る
修
忘れたと思っていた 忘れたいと思っていた 思い込んでいた
修の優しさ 修の笑顔 修と二人で暮らした部屋を
この部屋で一人目覚め 忘れられず 涙を流した日を
真奈美は その夜 手紙を握り絞め 嗚咽を上げ
・・・暗い部屋で 何時までも泣き続けて居た・・・・・・・・・