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暗い部屋の中の 水音
第6章 雪の故郷
佐藤と暮らし始めて 1年が過ぎようとしたある日
母には 一緒に暮らしているとは 葉書に書かず
家の電話番号だけ 書いて送った
「真奈美 出かけよう」
隆が帰るなり 突然言うと 2人は車で出かけた
真奈美は 佐藤と暮らして半年目に退職し 近くのスーパーでの
パートを始めていた
「ここで 食事するの?」
見覚えのあるレストランの駐車場に隆が車を止め 2人は店内に入り席に着いた
食事が終った時 隆が小箱を取り出した
「 一年経ったね あそこの席覚えてる?去年あそこの席で話したよね 」
真奈美は隆と付き合うように成った夜を思いだして頷いた
「 真奈美 これを そろそろ着けて呉れるかな? 」
隆が指輪を取り出して 真奈美の指に嵌めて来た
「 ずっと 一緒に居て欲しい 」
隆は 真奈美を優しい目で 見て言って来た
・・・ありがとう・・・・・
ただ そう言うだけで 涙が こぼれていた
「 それと 此処に 名前を書いてね 明日一緒に行こう 」
隆に言われ 涙を流し 頷いていた