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暗い部屋の中の 水音
第3章 洋美
また 食べて無いは
洋美はテーブルの上の 夕飯を見つめ溜息を付いた
隆は仕事が 忙しく成り
最近は毎日の様に終電で帰ってくる
時には 泊まり込み 帰らない日も続いていた
週末は一緒に過ごすが 自分の部屋で仕事の為の検索や
書類整理に追われ 余り陽子と話す事も少なく成っていた
洋美はそんな 夫の為に毎晩夕飯を用意して
先に寝ていたが朝起きて テーブルに残された夕飯をみて
心に穴が開くのを感じてしまう
隆と夜を過ごしたのは?
2か月前・・・
寂しさが募って来た
着替えて 職場へ向かう 何時もの様に
岡課長は 優しい声を掛けてきた
「佐藤 さん どうかした? 顔色が優れないけど」
顔を見て話しかけてくる
「 いえ ちょっと・・・」
言い淀んでいると 背中に手を当て
「何か有ったら 相談して 洋美さんの事心配だから」
背中に当てられた 大きな手の
暖かさと 名前を呼ばれた事で 少し赤い顔をして
「有難う御座います」
思わず上目使いで 話してしまった