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女優なんて…
第2章 女優 涼風あかね
「ごめんなさいね…まさか、女優の涼風さんをお泊めすることになるなんて思っていなかったから、散らかったままなんですけど…」
さあ、どうぞお上がりくださいな、と
私は女優の涼風さんを自宅にまねいた。
「散らかっていても構わないわ
私の東京の部屋だって汚部屋と言われているぐらい散らかっているんですもの」
へえ~、古民家って、こんな作りになっているのねと
涼風さんは私が案内するまでもなく
勝手にいろんな部屋を覗いて
まるでアトラクションを見学するように楽しんだ。
涼風さんは浴室を覗いて
「あら?ひのき風呂じゃないのね?」と
あからさまにガッカリした。
「今はどの民家もホーロー浴槽やステンレス浴槽ですよ」
そのように教えると
「なぁ~んだ、薪で沸かすお風呂を想像していたわ」と言った。
いくら過疎の村とはいえ、
今どき薪でお風呂なんか沸かしませんよ。
都市ガスは整備されていないけれど
どこもプロパンガスのガス給湯器ですから。
ところで、ずっと気になっていたんですけど
涼風さんのマネージャーさんがずっと付きっきりなんです。
「あの…マネージャーさんはどこのご家庭に行かれる予定なんですか?」と尋ねると
「やだなぁ~、僕はあかねさんのマネージャーですよ。片時も離れずに近くでお世話をさせていただきます」と私の家に泊まる気まんまんなんです。
「え~っ!?嘘でしょ?」
私は慌ててしまいました。
だって…マネージャーと言えども男性を泊めるだなんて…