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女優なんて…
第14章 初舞台

私がベッドにスタンバイすると
舞台の上手(かみて)から相手役の清水が半裸で現れた。

ブリーフ一枚姿の彼の容姿に観客は息を飲んだ。
なにしろ股間を立派に膨らませていたからだ。

息を飲んだ観客がやがてざわめき始めた。
あれは勃起を偽装させる衣装パンツに違いないと
純粋な芝居ファンはそのように信じこみ、
方やオペラグラスで股間を凝視する観客は
そのブリーフの前の膨らみが上下に揺れ動くのを
しっかりと見つめて『ほんとに勃起させてるんじゃないの?』とボソボソと小声で周りに話しかけていたからだ。

「ふふふ、みんなが俺の勃起を見て驚いているよ
これからもっと驚くシーンの連続なのにな」

素っ裸を要求されるために
私も清水もヘッドマイクをすでに取っていた。
舞台下から指向性マイクが差し出されて
互いの声を拾うようになっているが
小声だとマイクに拾われることもないので
私と清水の小声は会場に流れる事はなかった。

「能書きはいいからサッサとやって頂戴よ」

舞台上で生で挿入してくるかもしれないと
私はクライマックスで初めて緊張感を抱いていた。
そのせいか、私の女性器はカラカラに乾いていた。
清水がよほど上手にリードして濡らしてくれないと
とてもじゃないけど挿入なんて無理だろうなと感じた。
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