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女優なんて…
第3章 マネージャー 樹 憲史
撮影は落日まで続いた。
涼風あかねのスケジュールの関係だろうか
彼女の出演シーンばかりの撮影で
休む間もなくカメラの前に立たされた彼女は
昨夜のレズ遊びで養われたエネルギーも渇れ果てて
素人目にも疲れの表情が浮き彫りになっていた。
「監督…今日のところはこれぐらいで勘弁させてくださいよぉ」
涼風あかねが体調を崩しては元も子もないと
マネージャーが大白川監督に泣きをいれた。
「仕方ないなあ…
彼女のソロ演技のところだけ
撮りきってしまいたかったんだけどね」
まだまだ撮り足りないとばかりに
腰をあげようとしない。
「監督、陽が傾いてきて
露光不足になってしまいます。
これ以上はいい画(え)を撮る自信がないです」
大白川監督の片腕と呼ばれているカメラマンの里見がそう言うと監督としても首を縦に振らざるを得なかった。
「仕方ないねえ…
明日から助演の男優がロケに合流してくれるんだったよな?
天気次第だが明日は濡れ場を撮るよ」
みんな、そのつもりで準備を怠らないようにな。
監督の鶴の一声で
予定と違う撮影シーンが急遽前倒しになったことで
スタッフ一同になんとも言えぬ緊張感が走った。
ようやく解放された涼風さんは
グロッキー寸前でした。
私の古民家にたどり着くや否や
サッとシャワーだけ済ますと
夕飯にもろくに手をつけずにベッドに潜り込んだ。