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女優なんて…
第3章 マネージャー 樹 憲史

「女優さんって…
見た目以上にハードなお仕事なんですね」

テーブルの上の料理を片付けてしまいたいのに
マネージャーさんが腰を落ち着けて
私がお昼に遠いコンビニへ車を走らせて
買い込んできたビールを美味しそうに呑んでいた。

「女優に限らず男優も、
俳優という仕事はハードですよ」

そんな話をしながら
私に「ささ、今日もお疲れさまでした。ちょっとぐらいは付き合ってよね」とビールを飲ませようとした。

「お気持ちだけ頂戴します
昨夜でわかったでしょ?
私、お酒には凄く弱くて」

「一口だけ…ね、一口でいいからさあ」

どうしてお酒を嗜(たしな)む方って
一人で静かに飲めないのかしら…
仕方なく私はビールを一口だけいただきました。

たちまち胃がカァ~っと熱くなってきます。

「いいねえ!ささ、もう一口!」

マネージャーさんは調子にのって
私の後ろに移動してきました。
そしておもむろに私の肩を揉みはじめたんです。

涼風さんが「彼はゲイよ」と教えてくれて
本人も否定しなかったので
私にはマネージャーさんに対して
警戒心が芽生えませんでした。
それに、とてもマッサージが上手かったんです。

「あ、気持ちいいです」

「でしょ?涼風さんに鍛えられて
自分でもプロ並みの腕前だと自負してます」

首も相当こってますね
そんなことを言いながら、
やがてその手は私の鎖骨へと…


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