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女優なんて…
第4章 主演男優 安岡健一

「それでかまいません
同室で寝泊まりするなんて慣れっこですから
それに私がついていないとデリバリーとかで遊ばれても困りますし…」

なるほど、それもそうねと私は納得した。
都心からはなれてロケ地でハメを外されては
事務所としても困るのだろうと
私は安岡の希望通りにダブルの一部屋だけでチェックインさせた。

「では…明日も早朝からの撮影になるそうなので
くれぐれも遅刻なさらないように…」

そう言って「では、失礼します」と
後はマネージャーさんにお願いして帰宅を急いだ。

早く帰って涼風さんのお世話をしたい。
いえ、涼風さんだけでなく
マネージャーの樹(いつき)さんのお世話もしたい…

私の心はすでに二人と戯れることに気が向いていた。

私を見送ると安岡は
馴れ馴れしくマネージャーの肩を抱いた。

「ようやく二人っきりになれたね」

マネージャーの女は嫌がる素振りも見せず、
自分から寄りかかるように安岡に身を任せた。

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