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女優なんて…
第4章 主演男優 安岡健一
一時間後、私は自分の軽四で山道とは逆の国道を走っていた。
私の車の後ろにはピッタリとBMWが煽るように後続していた。
安岡は、民家には泊まらないと駄々を捏ねたので
移動距離がかなりあるけれど
市内のホテルに泊まってもらうことにしました。
『ホントに協調性のない方…』
明日の撮影に間に合うためには
朝の五時にはホテルを出発しなければいけないので
体に負担がかかるからと
民泊を薦めたのに見ず知らずの家になど泊まれないと体に負担があってもホテルでの宿泊を強く願い出てきた。
「仕方ないな…彼の望む通りにやらせて上げてよ」
監督の大白川も彼には甘く
出費を覚悟で彼だけホテルでの滞在を許可した。
『勝手にどこかのホテルでも探せばいいのに』
最新のナビを備え付けているくせに
私に道案内をしろと言ってきたので
開いた口が塞がりませんでした。
ホテルについてシングルルームを二部屋抑えようとしたら
「ダブルの一部屋でいいよ
無理を言っているのはわかっているから
少しでも経費の節約に協力するよ」と
安岡はダブルの部屋でいいと言う。
「えっ?でもマネージャーさんは女性ですし…」
「僕らは一蓮托生なのさ
彼女だってそれでいいと言ってるよ」
「本当にそれでいいんですか?」
私はマネージャーの女性にお伺いを立てた。