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第5章 女性マネージャー

「やっと二人きりになれたわ」

ダブルの部屋に落ち着くと
待ってましたとばかりに
マネージャーの女は安岡に抱きつく。

「先にシャワーを浴びろよ」と
安岡は抱きつく女を引き剥がした。

微妙な空気を女は感じ取っていた。

ロケ地に入るまでは
運転中も手を握ってくれて
渋滞につかまると手が寂しいとばかりに
股間に手を射し込んでくれて
撮影先に向かうと言うよりも
ちょっとした小旅行気分だったのに…

絶世の美人女優と言われる涼風あかねに一目惚れした？
ううん、そんなことはない
あれぐらいの美貌なら
芸能界には掃いて捨てるほどいるもの…

マネージャーの女は
吉野紗由理という女であった。

彼女は短大を卒業してすぐに
今の芸能事務所に入所した。

サブマネージャーという肩書きの
いわゆる付き人を10年ほど勤めてから
アイドルグループのメンバーであった安岡健一の専属マネージャーになった。

グループが解散してからも
安岡は事務所を退所せずに
所属タレントとして居残った。

そのまま彼女も彼の片腕として
マネージャーとして寄り添う形となった。

安岡が彼女に手をつけたのは
地方巡業での事だった。

性欲の強い安岡は風俗に遊びに行くと言い出した。

人気アイドルグループ時代から
恋愛はご法度で
ずっと性欲を抑えていたのが
ソロになると一気に爆発した。