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女優なんて…
第1章 ロケ隊がやってくる
ロケ隊一行は
とりあえず村役場の会議室に集まり
今後のスケジュール確認と
農家に宿泊してもらう部屋割りを決めることになりました。
いつもは節電で29度に設定して
ほとんどエアコンの恩恵を受けませんが
この日ばかりは24度に室温設定を下げられていて快適そのものでした。
宿泊する農家を振り当てる段階で
女優の涼風あかねがゴネはじめた。
「イヤよ!そんな見ず知らずのおじさんやおばさんと一つ屋根の下で寝泊まりするなんて!」
マネージャーの男にも「そう言うことは仕事を受ける前に説明しておきなさいよね!」と
周囲の目も憚らず罵倒しました。
「しかしね、あかねさん…
今回は久々の大白川監督のメガホンだし、
これはあなたにとって代表作になると思うんですよ」
事務所の看板女優に叱責されて
吹き出た汗を拭いながら
マネージャーは涼風あかねのご機嫌を取りはじめた。
「百歩譲って男がいない家なら我慢してあげるわ」
彼女の言葉に村役場一同は困り果てた。
女だけの民家…
そこで村長は私の家を候補に上げた。
「彼女の家で我慢していただけませんか?」
私の了解も得ずに
話はどんどんと進んで行きます。
「ちょっと待ってください!
うちは他の農家の皆さんと違って
とても狭いんです。
そんなところに大女優の涼風さんをお泊めするなんて…」
出来れば大きくて部屋数の多い民家で我慢して欲しいとお願いしましたが
「この子の家なら私は我慢してあげるわ」と言う彼女の一言で大女優を私の家に迎えることになりました。