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目覚めたのは 公園のベンチ
第17章 佳代子

和夫はホテルを出て 歩道を歩き始めていた

目指すは侘理濡百貨店 甘利商事の成田社長が
株主に成って居る百貨店だった

和夫が1年前に世に出した 百貨店の華園シリーズの舞台

入口を入る処に 尾久佐真町第二期分譲開始と
案内が掲示されていた

和夫はそれを見ながら 
1階のフロアーを進み 考えていた

・・・1階から攻めるか・・・やはり英麻ちゃんだな・・・

美乃梨さんと愛美さんは外せないな・・・

・・・・佳代子さんは?・・・

豊子さんと 紗香さんはどうしようか?・・・

・・・・夢が覚めないうちに・・

開店直後の百貨店は まだ人もまばらで 
1階の化粧品売り場の従業員はショーケースを拭いたり 
商品の陳列に余念が無い

和夫は迷わず 大草英麻の前に歩み寄っていた 
英麻が怪訝な顔で
和夫を見て営業のスマイルを出し

「 何か? 」 と尋ねてきた

開店直後の化粧品売り場に 中年の男が立ち寄る等考えられない
和夫は英麻を見て

「 フラワーガーデンから来たんだけど 」

「 時間取れるかな? 」

「 サラセニアさんだよね? 」
英麻を見て言うと 

英麻は はっとした顔をして 少しお待ちくださいと
奥へ消え 出て来ると

「 午後からなら 時間が取れますが 」
和夫の顔を見つめ 話して来た
和夫はホテルのスウィートを教え

エスカレーターに乗り店内を眺め 
3階で 一人の女性に目を止め 
橋本佳代子の許へと

歩み寄って行った・・・

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