この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目覚めたのは 公園のベンチ
第20章 彩香
「食事でもしようか」
和夫はそう言うと 二人交互にシャワーを浴び レストランに向かった
2人ディナーを食べ ワインを開けている時紗 香が呟いて来た
「二人でのお食事 楽しいわね 何時も一人の食事だから 寂しいの」
ワインのグラスを口に運び 話し続ける
「夜お部屋で一人で食べるの 判ります? 相手してくれるのテレビだけ」
「主人の為に用意した食事に 手が付けられないの
お仕事忙しいから 外で食べて来るのよね」
「最初は しょうがないと思っていたけど
作った物に手を付けて呉れなくて 朝、それを見ると心が壊れて行くの」
紗香は寂しそうに話を続けた
「心にひびが入って零れて行くの 作った物に手が付けられないと判ります?」
紗香は寂しそうに眼を上げ 和夫を見つめて来た
「男の人には 判らないだろうな?」
「一生懸命作った物に 手が付けられなかった時の気持ちは
だから 心が壊れて行ったのよ」
ワインの入ったグラスを口に運び 寂しそうな目で見て紗香は話を終えた
食事が終り紗香は帰り
和夫は部屋で ウィスキーのロックを飲み
窓の外を眺め 紗香の言葉を思い出して
新しい作品の構想を 思い浮かべていた・・・・