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目覚めたのは 公園のベンチ
第28章 追われる 時

縁とリリーのドアが いや店先がえぐれた様に無くなり 
店内の何も無い棚を街灯が照らし出していた

立ち上がり店内をのぞき込むが 床に転がるコンクリートとガラスの破片 
木製のドアの破片も散らばっている

和夫は隣の焼き鳥屋を訊ね 店長が出て来て答えて呉れた

「何が有ったんです?」 和夫が訊ね

「2週間前に 老人がブレーキとアクセルを間違って お店に飛び込んで」 
店主が答え

「ここのママは? 大丈夫だったのですか?」 
重ねて和夫が聞くと

「ママは飛び込んだ車の下敷きになって ○○病院に入院しているよ」 
店主が答えた

和夫は礼を言い スマホで病院を検索すると 
駅前の花屋で花束を作って貰い病院へと向かった

面会時間を見ると ギリギリの時間に成って居て 受け付けで尋ねた時 
看護婦が少し迷惑そうな顔をして
帰宅の時間を念押しされてしまった 照明を幾つか落とした廊下を歩き 
ママの部屋を見つけ ノックをして

病室へと入って行った 4つのベッドが配置され 
窓際のベッドにママの姿を見て 花束を抱え歩みより 
和夫はママの姿に驚いてしまった 真っ黒な髪は白く成り 
艶やかな顔は 皺に覆われ まるで老婆が
寝ているかの様に見え 和夫は黙ってママの寝姿を見つめていた 

ママが目を開け 和夫を見て微笑んでくる

・イ・イ・ダ・サ・ン・・マ・ッテ・イ・タ・ワ・・・・
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