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ラスト・レター
第1章 ラスト・レター
亡き妻からの手紙を、涙で少し湿ってしまった最期のラブレターを丁寧に封筒へ仕舞う。いたずらめいたことが好きだった彼女らしいと思った。
残された者ばかりがつらいと私は思い込んでいた。しかし妻が遺した手紙を読んでからは、そうではなかったのだと、それまでの自分勝手で浅はかな考えを改めた。
改めるといえば…
家具類が運び出されてしまい、ほとんど空になった部屋を眺め、私は決心した。
やはりこの家を手放すのはやめよう。今さらだが引っ越しは中止だ。
彼女との思い出が詰まったここで、この場所で暮らそう。これからも。
私が彼女の元に行く、その日まで。
𝑭𝒊𝒏
残された者ばかりがつらいと私は思い込んでいた。しかし妻が遺した手紙を読んでからは、そうではなかったのだと、それまでの自分勝手で浅はかな考えを改めた。
改めるといえば…
家具類が運び出されてしまい、ほとんど空になった部屋を眺め、私は決心した。
やはりこの家を手放すのはやめよう。今さらだが引っ越しは中止だ。
彼女との思い出が詰まったここで、この場所で暮らそう。これからも。
私が彼女の元に行く、その日まで。
𝑭𝒊𝒏