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ひだまりのねこ
第3章  君の名は
(2)
優佳が住んでいるのは横浜市であった。
港北ニュータウンの端っこに平屋の一軒家を借りていたのだ。

外見は古い一軒家だったが、部屋の中は綺麗にリフォームされていて、床は全面フローリングだった。

その一軒家に犬のマルと一緒に暮らしていたのである。
マルはカニーヘンダックスの女の子だった。

年齢は5歳であった。
人間の年齢で言うと36歳くらいである。

人間の女性で言うならまさに脂が乗ってきてイイ女だったかもしれない。
マルはとても可愛い顔立ちをしていた。

それに、とても温厚で頭の良い子であった。
無駄吠えなどは一切しなかったのだ。

だが、凄いやきもち焼きやさんでもあった。
優佳とクロちゃんが一緒にじゃれているといつも遠くからそれを見ていた。

クロちゃんの年齢はようやく2か月くらいであった。
人間の年齢にしたら3歳と言うところであろう。

クロちゃんが初めて優佳の家に来た時、マルはとても不思議な顔をしてみていた。
だが、段々とクロちゃんに慣れてくると一緒に遊ぶようになってきた。

クロちゃんがまだ幼児だったころ、マルは優佳と一緒に世話をしていたのだ。
赤ちゃん猫は自分で排泄ができない。

本来、母猫が居れば母猫がお尻を舐めて排泄を促すのである。
だが、母猫から引き離されたクロちゃんにはその排泄をする母猫が居なかった。


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