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ひだまりのねこ
第10章 嫌い①
「クロちゃん、おしっこ出ないの?」
「(うん、したいんだけど出ないんだ?どうしてだろう)」
その時優佳は思った。
もしかしたら、石があるのではないか。
そう直観したのだ。
また、クロちゃんをキャリーケースに入れて病院に連れて行かなくてはいけないと思った。
逃げ回るクロちゃんを捕まえようとする優佳。
クロちゃんは部屋の中を逃げ回り続ける。
やっとの思いで優佳はクロちゃんを捕まえて洗濯ネットに入れる事が出来た。
だが、今回、優佳は負傷してしまった。
クロちゃんに手の甲を噛まれたのである。
キャリーケースに入れると自分のキズの手当てをした。
マキロンで消毒して絆創膏を貼った。
優佳はつぶやく。
「可愛いクロちゃんに噛まれたのなら本望かもね」
そう言うとキャリーケースを持ち、それを車に乗せて奥津先生の元へ車を走らせた。
マルは大人しくお留守番である。
車は程なくして動物病院の駐車場に到着した。
時刻は夕方になっていた。
受付で名前を記入して受付を済ませた。
キャリーケースを床に置き、椅子に腰かけて順番を待っていた。
暫く待つ事数十分。