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ひだまりのねこ
第12章 マル
マルにお散歩のリードを見せるとお散歩に行きたがったので優佳は散歩に連れて行った。
アパートの近くの電柱の所をマルはウロウロとしていて遠くに行こうとしなかった。
優佳は無理に散歩をさせるのをやめて家に戻っていった。
お昼までは何とか元気なマルだったのだが、お昼を過ぎてからの事だった。
マルは急に元気が無くなったのである。
いつも自分のキャリーケース(ハウス)の中でマルは寝ている。
この日の午後も自分のハウスに入り眠ってしまった。
でも、その表情はとても苦しそうだったのだ。
この日は4月でちょっと暑かった。
優佳は暑いのだろうと思い、マルにアイスノンを見せた。
すると、マルは嬉しそうに目を輝かせてそのアイスノンを見るのだ。
ハウスの中にアイスノンを入れてあげた。
マルはアイスノンに頭を乗せて眠り始めた。
とても気持ちよさそうである。
少しは涼しくなったのだろう。
暫くマルはハウスで眠っていた。
だが、その表情は益々苦痛に満ちたものになっていった。
夕方ごろ、優佳はマルを抱き起してハウスから出した。
身体はぐったりとしていたが息はまだあった。
マルは優佳のベッドに乗って寝た事が無かった。
「ベッドに乗せて!!乗せて!!」と、何回か優佳に言ったのだが乗せてもらえなかった。
優佳は最後くらいはベッドに寝かせてやろうと思った。
そして、バスタオルでマルを包みベッドにバスタオルを敷き寝かせた。