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その日の呟き
第6章 私の夫
発せた言葉はそれだけ。横向きになったままの体勢で、片足を持ち上げられ慣れ親しんだ衝撃と快感。耳元で生温く湿った吐息で夫である事は分かったが何故急に?驚きやら怒りやらは快楽に塗り替えられ、気付けば矢張り朝。夫は既に仕事。パジャマは綺麗に整えられていて、夢かと思う程。だけど体に残るずっしりとした怠さとまだ何か埋められてる感覚に夢では無いと覚ったし、その日だけ珍しく夫が、これもまた意外にも覚えていた私の大好きな店のケーキを買ってきて、謝罪の言葉は無かったけど無言で渡された。
もうこの時点で私にはこの人しか居ないな、と思ってしまった。体で堕とされたのだ。だから周りや子ども達からどうしてこんな愛想の無い男と、と聞かれても笑って聞き流しながら心の中で呟く。
「セックスだけは申し分無いから」
と…あと、ケーキを買って来てくれた時に少し可愛いなとも思ったから。
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