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夫婦で妊活旅行に行く話
第5章 エスコート…? *
「ねぇ、ののか、…キスしてもいい?」
そう さっきと同じ問いかけを
透真が私にして来て
同じ事を言われているのに
別の言葉か何かかの様に聞こえる
「ねぇ、ダメなの?」
透真の問いにののかが首を左右に振る
「ののか…」
そう耳元で名前を呼ばれて
グッと両方の手首を押さえたままだった
透真の手がののかの手首を掴んで来て
ビクッと…手首を掴まれてしまって
ののかの身体が反応して跳ねた
更に距離をグイグイと詰めて来られれば
後ろか壁なので 彼と壁の間に
挟まれて押さえられるだけで
手首を掴まれた腕の上から
透真が自分の身体で
私の身体を押さえ込んで来るから
ゾクゾクと背筋が震えるのを感じる
自由を奪われている事と
抗う事を許されないと言う事
支配…されている…事に
自分の芯が震えているのを感じる
ち…ぅ っと
唇 その物にキスをするのでは無くて
唇の端の 口角の辺りにキスをされてしまって
ぺろ…っと 下唇を舌で舐められる
ちぅ…と唇の全体にされない
焦らす様なキスを繰り返されて
触れる唇は この上なく優しいのに
腕の自由を奪ってる手の力は確かな強さで
私に拒むのを許しては無くて
はぁ…と 自分の口から
漏れる吐息に熱が帯びて来る
「ののか、…キス、するけどいい?」
そう 今度は ニュアンスを変えて
透真がこちらに向けて問いかけて来て
ちぅ ちゅ…っと何度も口角に
何度も短いキスを繰り返すと
今度は唇の全体に唇を
圧を掛けてグッと押し付けられる
透真がこっちの手首を
片手で纏める様にして掴んで来ると
スルスルと…ののかの背中に透真が
手首を掴んでいる方じゃない手を
回して 撫でながら当てて来て
後頭部を透真がその手で支えて来ると
両手を掴まれて手で
身体を透真に引き寄せられて
後頭部を手で支えられて固定されながら
唇の全体を覆う様にキスをされて
ちぅ…っと 唇を唇で挟んで食まれる
「んッ…ふ、はぁ…ぅ、ん」
食まれて 唇を吸われて
角度を変えながらキスを繰り返される
後頭部を支えている 透真の手が
項に降りて来て ぐっと指で項を押されて
ビクッと反応して ののかの身体が跳ねる
「んんっ…、はぁ、…ん、透真…ッ」
「ののか、…ふ…、ののかッ…」