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夫婦で妊活旅行に行く話
第8章 白浜観光をしよう! ②
その椅子の周囲を一周ぐるっと
スクリーンが取り囲んでいる

空いている丸椅子に腰を降ろそうとすると
ぐるっと椅子が回転して動いたので
背もたれの無い椅子は回転しながら
映像を楽しむための物の様だった

シアターのドアをおじさんが閉めると
ドアがあった部分もスクリーンが降りて

ペンギンが海の大冒険をするプログラムの
上映が始まったのだが

まるで自分が海の中に居るかのような
そんな光景がどこを見ても広がっていて

大量の鰯の大群が こちらに向かって来て

思わず ほのかがその大群をよけようと
してるのが見えて 笑いそうになったのだが

自分の身体を無数の鰯が突き抜けて行くのは

不思議な光景だったのだが

少し離れた場所で観ていた子供も
すごーーーいと歓声を上げていて

「透真ッ、鰯ッ、今、鰯がっ」

「映像とは分かって居ても、
映像が身体を突き抜けるのは、
360度シアターの醍醐味だよな」

ペンギンが巨大なサメに追いかけられるシーンでは

迫力のある迫りくるサメと

飛び散る水しぶきと

自分達の間を突き付けて行く

主人公であるペンギンの姿が

立体映像なだけに 大迫力で楽しめる


10分程のプログラムの上映が済んで
アスレチックのエリアを楽しみながらも
さっきのは凄ったと何度も言っていたので
よっぽどさっきの360度3Dシアターは
ののかのお気に召した様子だった

「全部回ったら、また観るか?さっきのやつ」

「いいの!やったぁ。観たい観たい」

さっきのシアターのおじさんから
平日の各映像とかのプログラムの
上映スケジュールの紙を貰ったので
透真がその紙を見ながら声を掛けて来て

アスレチックを抜けた先には

また別の建物が見えて来る

「ここは、スマスイみたいな
パターンの造りをした施設だよな。
独立した館が敷地に点在してるタイプのさ」

「多分、スマスイみたいにさ、
後から建て増し建て増しをして
この最終形態になってるんじゃない?」

トリックアートの作品と自由に
写真を撮れる建物には

沢山のトリックアート作品があって

壁に描かれた椅子に
空気椅子をして座ってる様にするのや

上下左右が滅茶苦茶に書かれた部屋に…

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