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第8章 白浜観光をしよう！　②

「レピドライトって言うんだ…。
この石は、初めて見ました。
売ってるのも見た事ないです。
雲母って事は、薄い層が何層にも
なってて、剥がれちゃうんですか？」

そう化石発掘体験のスタッフの人に
ののかがレピドライトに
ついて質問をしていて

『そうなんです、非常にデリケートな
石になりますので、お取り扱いは注意で。
レピドライトと言う、名前は
ギリシャ語で鱗を意味するlepidosから来てまして。
新しい事を始める、例えば転職や引っ越し
大きな変化やチャレンジのお守りになるとか』

「引っ越しや、大きな変化…」

そうボソッとスタッフの人が言う
その石の効果を　ののかが復唱すると
スコップとバケツを持ったままで
透真の方を振り返って来て

「透真っ、私、レピドライト探すから。
透真の方にも、あったら教えてッ」

それぞれに番号の書かれた砂の入った区画に
スタッフの人が１０分に設定したタイマーを置いて

１０分間　この区画から
隠れている石と化石を探す

「おおっ、フローライトあった」

自分の区画の中の砂の中から
フローライトを見つけて
ののかがそれを拾う

「ののか、これは？」

「ローズクォーツでしょ？ピンクだし」

「ののか、これは何だ？大理石みたいなさ、
見た事のない、白い石が出て来たぞ？」

そう言って透真が手の平に乗せた
白い石に黒い筋の入った
大理石の様な石を　ののかに見せて来て

「ハウライトだよ、それ。
インターネットで
安物のラピスラズリ買う時は
ハウライトを青く染めた
ハウライトラピスの事があるから
ネットで買う時は、気を付けてね？」

そうののかが
ネットでラピスラズリを買う時は
気を付けた方がいいと言って来るが
俺は…ネットでそんな物を
買う事は無いと思うから…心配は不要だ

「ああ、でも、ターコイズカラーに
染められて、ターコイズの
偽物にもされてる事もあるんだよね。
でも、最近はハウライトその物も、
そんなに掘れないみたいだよ」

「染められやすい石なのか…。
ののか、これは俺も知ってるやつ。
アンモナイトだろ？」

「アンモナイトね、
アンモラナイトって知ってる？
アンモナイトの化石が、長い年月を掛けて
虹色に光るアンモナイトになったら、
アンモナイトも、化石から宝石になるんだよ」