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夫婦で妊活旅行に行く話
第2章 そうだ、和歌山へ行こう!

和歌山から白浜へと車を走らせて

白浜に在る目的地である
子宝にご利益のあると言う
もう一つの神社に到着した

辿り着いたのは
白浜美術館と書かれたそんなに
大きくも無い白壁の建物で
ののかがその建物を指差しながら

「凄い、マイナースポットセンサーが
反応するんだけどさ。ねぇ、透真。
目的地ってさ、子宝にご利益がある、
神社だって言ってなかった?」

神社だと聞いて来たら
美術館でした~♬とは早々になるはずもないし
透真のその表情を見ると目的地を
間違えた様子も無さそうな感じだな

「ああ。目的地の神社は
この美術館の奥にあるから」

「って、神社に参拝するのに、
美館館の中を経由するの?」

さっきの神社も斬新だったけど

こっちの神社もかなり斬新だな

そんなの聞いた事ないけどな

ある意味入館料?が居るって事??

入館料?参拝料?の500円を払って
その白い美術館の中に入ると

「どう?ののか、これ。
中々に壮観な眺めじゃない?」

美術館の内部はそのヤブユム像と呼ばれる
密教の男女の神様の接合像が展示されていて

極彩色のカラフルな色彩のヤブユム像達は
右を見ても左を見ても
どちらを見てもしっかりと結合を
なさっておられる 真ッ最中なんだけど

「何でも、パートナーと性的な
結合をしながら瞑想して、自分の
エネルギーを放出しないで。
自分の内側に向ける事で、
悟りの境地に達するんだってさ」

そうヤブユム像について
書かれている説明書きの文章を透真が
自分の知識かの様にして言って来て

「要するに、ずっと結合中って事?」

「だから、要するに修行中なんだなこの像は」

「要するに、あっちの人達は
対面座位を、全力で推したいの
だけは私も理解した」

ののかが接合中という名の
修行中の姿のその像をチラチラと見ては
対面座位率が高いのを
ののか的には気に入ら無さそうにしていて

透真は…ののかはあんまり
対面座位好きじゃないからな~と
その様子を見ながら思っていたのだった

「まぁ、本題はこの奥だからさ。
この神社は猫が沢山居るのも有名だし。
ののか、猫ちゃん好きでしょ?」

「猫ちゃん?猫ちゃんも
そんな神社に住んでるから
ご利益あやかって、子沢山だったりとか?」

猫と言う魔法のワードの登場に
ののかの表情も明るくなったのは言うまでも無く

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