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夫婦で妊活旅行に行く話
第3章 部屋に着いたら…? *
しばらくすると
部屋の寒さも緩んで来た様で
ののかが覚悟を決めてベッドから出ると
部屋に備え付けてあるパジャマを
下着も着けずに身に纏って
もぞもぞと透真が寝ている
自分の隣のベッドに潜り込んで
透真で暖を取る様にして自分の身を寄せた
「んん?何ぃ?ののか?
ん~?パジャマ、着ちゃったの?
裸じゃ寒かった?」
透真が眠たそうな声でそう
ののかに問いかけて来て
「ごめん、透真、起しちゃった?
透真は、何か着なくていいの?
エアコン緩めたけど、風邪引いちゃうよ?
まぁ、別に風邪は引いても良いけど、
私には、風邪、移さないでよね?」
こっちが裸で 寝てるんだから
風邪を引いても自己責任と言う
そんな感じの意味で 嫌味をののかに
言われたのかと…寝起きの纏まらない頭で
透真が考えていたのだが
ののかの言葉でハッと
意識がクリアになって来て
ああ そうか 妊娠してたら
風邪を引いても 簡単に薬飲めないからか
だから俺にも風邪を引くなと言う事かと
それでその言葉は嫌味でも
何でもなかったのは理解したのであった
「俺にも風邪を引くなって事?
俺さ、産まれてこの方、自慢じゃないけど
風邪らしい風邪も引いた事が無いよ?」
「今は…の話でしょ?ねぇ、透真。
男の子の方が出生率高いって知ってた?
その分、男の子の方が、
小さい頃の死亡率も高いんだけどね。
別にこれは現代に限っての話じゃなくて、
昔からそうなんだけどね?」
「そうなの?」
「昔高校の生物の先生が遺伝子上
女性の方が優れた生き物だって言ってたけど、
免疫に関する情報は性染色体のXの方に
乗ってるから、女性はそれを2本持ってるから
病気に強いんだってさ、今は医療が
進歩してるから、死ぬなんてそうそうないけど」
「そう言えば、男の子は
ずっと熱出して呼び出しされるって。
割と同じ部署で偶に、早退したり
休んだりするパートさんが居るけどさ。
そんな話を他のパートさんとしてたわ。
で、どうするの?ののか、寝ないの?」
思わずそのまま
透真と話し込んでいて
すっかり目が醒めてしまっていた
「一姫二太郎ってよく言うでしょ?
あれも、女の子の方が、病気もしないし
夜泣きもしないし、上の子が女の子なら
下の面倒見てくれるから理想的だよって
そんな理由があるみたいだしね」