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夫婦で妊活旅行に行く話
第3章 部屋に着いたら…? *

ギュッと…透真の手に
左右の頬を挟まれてしまって
視線を合わせてじっとお互いの顔を見つめ合う

「いや、俺さ…今、ののか。
ののかと結婚してさ、
幸せ…だな~って、感じてた所」

「…透真、うん、そうだね。
透真の奥さんになれて、私も幸せだよ」

「それにさ、今、ここにさ、
俺と、ののかのさ、
子供が居ると思ったらどう?
めっちゃいい感じじゃない?」

私の頬に透真が添えていた手を
そのまま滑り下ろし
下腹部をその手で撫でて来て

ここに…自分と透真の
赤ちゃんが居る様子をののかが想像する

自分のお腹の上に置かれていた

透真の手の上に

ののかが自分の手を重ねて

スリスリと自分の下腹部を撫でてみる

そこに居るのか居ないのか

まだ 排卵してないんだから

いや…今日…排卵する…日だから

今は まだ いないのが正解なんだけども


自分のここに 透真との赤ちゃんが…

自分のお腹の中に宿るのだと


そんな そう遠くない未来を想像してみる


ポロっと… 悲しい訳でもないのに

何故だか涙が 目から 1筋 零れ落ちて


そのまま 瞼を閉じると

自分の意識を下腹部に向ける


よしよしと彼の手が
優しく私の頭を撫でて来て

零れそうになって居た涙を唇に掬い取られる

「ううん、違うの、透真。
違うんだよ?悲しかったんじゃないから。
透真、平気、大丈夫だよ。ありがとう」

「ののか、…愛してる。
俺とさ、本当の意味で、夫婦になってくれない?」

目の前の透真が普段のふざけた感じじゃなくて
真剣な顔でそう言うから
もう夫婦なのにと思って
思わず ふふっと笑ってしまって居た

「透真…、今さ、そうなった時の事をね。
考えて…たんだ。…ここにね、透真との
赤ちゃんがね、居たらって。
そしたらね…、なんかさ、幸せだなって。
それも、ただ幸せってだけじゃなくてね」

凄い…幸せだなって…そんな
感じがしたの…と言う…その言葉の続きを
ののかが声に出して紡ぐ前に
透真がののかの言葉を遮る様にして

「泣くほどさ…、それが幸せだって
ののかは、俺に言ってくれるんでしょ?」

「もう…、分かってる…クセに…」

「ののか」

名前を呼ばれて そのまま唇を重ねる

お互いの唇を求めあって

キスを繰り返す



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