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夫婦で妊活旅行に行く話
第4章 白浜観光をしよう! ①

前に透真とは
私からのリクエストで
浜名湖にえびすき漁をしに行ったんだけど

「もう、マグロとトビウオの話はいいってば。
確かに和歌山はマグロとトビウオ有名だけどさ。
和歌山は、それ以外でも鮎の養殖でも有名だよね。
後は、太刀魚もだし、前に話したけど
イルカも食べられるよ。和歌山なら」

「妊娠中はイルカはダメだって言うじゃん、
イルカは他の魚より水銀の含有量が多いからさ」

イルカには他の魚よりも
かなり多い量の水銀が含まれてるから
妊娠中はイルカは避けないとダメらしいんだけど…

「食べたこと…ないんだけど…イルカ…ッ。
売ってるお魚屋さんも地元には無いし…」

食べた事無いのに気を付けろと言われても
どっかでうっかり出てくる物でもないよね

イルカって……食べた事無い方が普通だよね?


そんな話をしながら千畳敷を後にして

そこからほど近い場所にある

もう一つの 和歌山の名勝の三段壁を目指す

三段壁は長さ2キロ 高さ60メートルの

断崖絶壁の名勝だ

その近くに 口紅の碑と言う石碑があり

病苦と義兄妹 許されぬ恋に

その石に

”白浜の海は今日も荒れている” と口紅で書き残し

2人で 海に身を投げたと言う曰くのある場所で


石に刻まれている文字は
その翌年の同じ日に彼等の友人が人に頼んで
その口紅で書かれた文字をなぞって
刻み込んだ物だと言われている

「でもさ、義理の兄と妹だったんならさ。
実質、血の繋がりはないんだし、
結婚する事だって出来たんじゃないのかな…」

「その辺のさ、彼等の家の事情までは
俺も知らないけどさ。何故だかこの
悲恋の舞台がカップルや夫婦で
この口紅の碑にふたりで触れると末永く
幸せになれると言う噂になってるらしくてさ」

結ばれてないじゃんと言いたげな
納得が出来ない顔をののかがして居たのだが

透真としては そうネットに
この口紅の碑は紹介されてたので

俺達もさ口紅の碑に触れて行かない?と
ののかに言いたかったのではあったのが

どうにも そんな感じの話を
していい感じではない空気だし

ののかはその石碑と海に向かって
静かに自分の手を合わせていて
透真は静かにそのののかの
横顔をしばらくの間眺めていた

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