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夫婦で妊活旅行に行く話
第4章 白浜観光をしよう! ①

9月の平日で人が少ない…
とは言っても ショーが見やすい
前方の中央寄りから
座席が埋まって行くのは確かだから

「楽しみだね?透真。
アドベンチャーワールドのイルカショー」

透真のご希望の
水濡れ席のブルーのベンチの
1列後ろの中央の場所に座って陣取って
ショーが始まるのを待ちながら

透真がさっきの売店で買った
ホットドックを食べていて

私は私でさっき買った
パンダのバケツに入った
キャラメルポップコーンを食べながら
ショーが始まるのを待っていた

「美味いか?ポップコーン」

「透真も食べる?」

「いや、俺はこれ食ってるからいいよ」

周囲に誰も居ないのを理由にして
透真がののかの身体に
腕を回して来てグッと身体を
彼の身体に引き寄せられる

「誰も居ないんだったらさ、
キスの一つでもしたいんだけどなぁ~」

そう言って透真がフッと笑うから
ののかがふふふと笑うと

自分の膝の上に置いていた
パンダの形の
ポップコーンバスケットの口を
透真の口に引っ付けて来て

「あのなぁ、ののかぁ~。
俺は、パンダとじゃなくてさ。
ののかとキスがしたいって言ってんの」

「んっ、そんな事、知ってるよ」

そのポップコーンバスケットで
前から口元が見えない様にして

ちぅ…と透真の頬に
ののかがキスをして来て

ののかの手からそのパンダを奪い取ると
頬にくっつく位にそれを近付けて来て

「そうじゃないでしょ?ののか…」

触れていた時間は一瞬だったけど

後ろからも見えない様に

腕を上げて自分の上着の陰にして

前からも後ろからも見えない様にしてたけど

上から見た人が居たら バレるのに…ッ



透真が…一瞬だけの…キスをして来て


ニヤニヤとしてやったりな笑顔を
キスをした透真が浮かべていて

「旅の恥は搔き捨てって言うじゃん?」

「もぅ、…ダメに決まってるじゃん…か、
旦那さんのばかぁ~、変態ぃ~」

「どうして、変態扱いになるんだよ?
不本意なんだけど?さっきのキスは
至って健全なさ、
可愛い感じの、キスだったじゃんか」

むぅっとののかが透真の
その言葉に自分の口を尖らせると

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