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夫婦で妊活旅行に行く話
第4章 白浜観光をしよう! ①
「俺が思うにだけどさ、
ののかはさ、無自覚過ぎるんだよ…」
ズイっと透真に距離を詰められて
そのままその分 彼との距離を
無意識に自分が取ってしまって居て
彼のこちらに向ける視線を見ていると
自分の本能が危険だと言う気がしていた
「ののかは、誰の奥さんなの?
余り俺を、不安にさせないでくれない?
って、ちょっと嫌味を言った所でさ。
結婚してるのに、これ以上私に、
どうしろって言うのって、
ののかは、…俺に、言いたいんでしょ?」
「でっ、でも……ッ、透真だって、
唯花ちゃんとかそれ以外の子とも
大学の時付き合ったりしてたじゃん」
そう反論してみるが
それを引きあいに出した所で
透真は納得しそうにないけど…
「それに…昔付き合ってた
…人の事を…どうこう、言われても…ッ」
それに…透真も透真だよ……ッ
過去の恋人に嫉妬するなんて
解決のしようも無い様な…嫉妬…を…
私だって…透真と付き合ってた時もだし
今だって…感じたりとか…してるのに…
そんな言い方…されたら…
ちょっと…悲しい…し…
嫌な…気分に…なっちゃう…よ…ッ
それからしばらく
お互いに何も言わないままで
動物のショーのある
アニマルランドを目指すが……
そうして歩いている今も…
手を繋いでいるけど
恋人繋ぎじゃないし
手を繋いでると言うよりは
腕を掴まれて連行されてるみたいだな
「ねぇ、透真」
「何?」
「この後もショー観るんでしょ?
ちょっと、おトイレ行って来ても良い?」
ののかが進行方向に見えている
女性用のお手洗いを指差して
透真にお手洗いに行きたいと訴えて来て
「トイレ?いいよ…、行って来ても。
ショーまで、まだ時間あるし…」
トイレなら仕方ないと言いたげに
掴まれてた手を開放して貰えたけど
結構な力で握られてた様で
握られてた部分がジンジンとしていて
ちらっと確認すると少しだけ赤くなっていた
「ねぇ、透真はさ、
今、トイレ行きたかったりする?」
「別に俺は、今はトイレには
行きたくないけど。
それが、どうかしたの?
ああ、荷物?預かって置こうか?荷物」
「流石にさ、トイレの中に
食べる物持って入るの嫌だから、
これ、預かっててよ、透真」