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夫婦で妊活旅行に行く話
第4章 白浜観光をしよう! ①
ちょっと…あっちに
戻るの…嫌だな…と思いながら
ののかがおトイレを済ませて
元居た 透真を待たせている場所に戻ると
少し離れた場所にすぐに
透真の姿を見つける事が出来て
声を掛けようとして…ある事に気が付いた
透真の前に知らない
親子連れの姿が見えて
あれ?あの…親子連れ…誰だろ?
「でも、こっちの莉麻の
パンダちゃんの方が可愛いモンっ」
「ハハハハッ、そうだな。
確かに、莉麻ちゃんの、パンダの方が
俺のパンダよりも、可愛いパンダだな」
そう言って 自分の首から下げた
パンダのバスケットを透真が
その手に持つと
小さな女の子と
お互いのパンダを見せ合っていて
「すいませんっ、
お話まで合わせて頂いてしまって」
「いえ、俺は結構、
子供は好きなので、大丈夫ですよ」
小さな女の子と
どっちのパンダが可愛いかを
論議してるらしく
隣にいるお母さんらしき人が
それを一番不安そうに見ていたけど
私は透真が…凄い余所行きの顔して
余所行きの言葉使いしてるから
見てるだけで噴出しそうになってたんだけど
同じ型から出来てるから
私の目にはどっちのパンダも
双子みたいにそっくりで
瓜二つにしか見えないけどな
その女の子の父親らしき男性が
電話をしに離れて居たらしく
少し離れた場所から戻って来て
透真に頭を何度も下げて
その女の子の手を引いて
そのまま行ってしまったのだけども
透真がその立ち去って行く
家族連れの後ろ姿を見ていて
「ただいま、透真。
ねぇ、羨ましくなっちゃった?とか?」
「どっちでもいいって言ったけどさ、
女の子もいいなって思ってた所。
さっきの子もさ、可愛らしい感じの
子で将来有望だったけど。
あれが、ののかにさ、そっくりな
可愛い女の子だと想像してたらさ。
仕事場の同僚達が娘にメロメロに
なっちゃって奥さんに
呆れられる理由も…分かるなぁって」
「女の子の方が良くなっちゃった?」
不安そうにしている
ののかの手を透真が握ると
「いや、きっとどっちも可愛いし。
どっちもいいし、どっちも欲しいけどな」
「じゃあ、ここから帰ったら…さ。
その赤ちゃん…作る時間…がさ、
お夕飯まで…ちょっと位は…、時間ありそう?」