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ダンシング・クィーン
第2章 啓子
卒業式の前の週に 栄治に 

「温泉に 行こうか? 」 
聞いたら 嬉しそうに 

「 はい 」
元気な返事が帰って来て 
思わず笑ったら むくれて 可愛かった

近場の温泉に 1泊の旅行を 
妊娠しやすい日を 選んで 
栄治の子供が 欲しくて
何時も 栄治に付けて貰っていたけど

その日だけ・・・

一度だけ・・・・ 

一日だけ・・・・ 

妊娠したら一人で
産むつもりで 栄治と出かけた

予約した時少し お値段の良い部屋を頼んで
お料理も 少し 追加して貰って
栄治と最後の旅行だったから 私の車で
朝 二人で 出かけた 途中の道の駅で
お昼を食べて 少し 温泉の傍の観光地を
歩いて メンチカツを 二人で歩きながら
食べたり 手を繋いで 湖の回りを歩いて
所処 雪が残って居て 私が滑りそうになると
大きな手が 私を抱いて 呉れて 栄治の
暖かい手と 体 あの日の湖を歩いた日は
私の大切な 思いで・・・

お部屋に 案内してもらって 係の人が下がったら
栄治が 寄ってくるの

「 何 ? 」 私が言ったら

「 先生 」 抱き着いて来るから

「 先生? 」 栄治を睨んで見せて

「 梨花 さ・ん・・ 」 

「 言えるでしょう 何? 」
判って居て 聞いて見たの

ぎゅって 抱かれて じっと見つめて 綺麗な瞳だった
何時までも 見ていたかったな 栄治の瞳
見上げて居たら 顔が寄って来て 唇を重ねて
優しく舌が 私の唇を 割って入って来て
キスも上手に成って キスされただけで 
気持ち良く成って 抱き着いて居たら
私のお腹に 浴衣を押し上げているのが 当って来て 
帯を外して 栄治の前に 座ったの
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