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第10章 イケメン童貞

「翔太君はここに座って」

沙希がひとつ席をずれて翔太をみおの隣に座らせる。

みおが顔を赤らめて翔太の顔をチラチラ見る。

ふふ、突然こんなイケメンが目の前に現れたら、そりゃそうなるわよね？

ドギマギして挙動不審になるみおの様子をしばらく眺めて楽しんでから、沙希がみおに声をかける。

「イケメン君登場で硬くなるのはわかるけど、緊張しなくてもいいわよ……翔太君ねえ、実は童貞君だから」

「えっ！　童貞？！」

みおがびっくりして翔太に顔を向ける。

こんなイケメンで童貞？
開放的な女子や積極的な女子が多い芸大に通っているのに童貞？

にわかには信じられない。