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キラーアイドル 特別編
第1章 逃亡犯
何をしたかされたか、おおかた想像通りです。
あなたのような若い方に…噂では聞いてましたが。
わたしの意思です。勘違いしないでください。
プロダクションも関係者も一切関係ありません。
自らしでかしたことです。
選択権があるのは、わたし自身です。
プロダクションも関係者も強制はしません。
あくまでもわたし個人の意思によるものです。
個人ってね。あなた…それって選択権のない半強制的な無言の圧力。暗黙の了解みたいなものじゃない。
あなたの言う言葉は信用できません…と法務教官は言いかけたが口をとじた。言ってはいけない言葉がある。
それは患者を否定すること。わたしたちカウンセラーは、彼女が今までしてきたことを否定せずに、肯定してあげてアドバイスをしていく立場なんだから。
さあ…お入りになって。もうここはあなた方のお部屋です。
マニュアル人間から脱したいなら自分の「独創性」「創造性」「柔軟」「自由な発想」などを磨くことね。マニュアル人間は手順や規則に忠実に従い、柔軟性や創造性に欠けることがあります。だからこれに対立する概念は、柔軟で自由な思考や行動を示すものとなります。
絵を描いてみたり、曲を作ったり、あなたはそういうのが得意なんじゃなくて?笑
今度は人に与えられた楽曲じゃなくて、あなたが作ってみたら?あなたは必要のない人間なんかじゃない。
それと…間違えてもジキルとハイドにはならないようにね。
あなたのような方によく見られるのよ。
それじゃあね。 
法務教官がそう説明してくれると、アサミは軽く頷きました。彼女はベッドに座り、窓からの光を浴びながら深呼吸を繰り返しました。この場所で過ごす時間が、自分の内面と向き合う大切な時間であることを心に感じていた。
しばらくすると廊下から足音が聞こえてきた。横になっていたらいつの間にか寝ていたようだ。
足音は遠くのほうから徐々に近づいてくるようだった。
音は次第に大きくなっていく。
アサミの耳の奥と胸を締め付けるように圧迫されていく。
はぁ…はぁ…はぁ。ふぅ…ふぅ…。
…落ち着いて。落ち着いて。大丈夫、大丈夫よ。アサミ。
アサミは心の中で必死にもがいていた。
ヤツらはいない。もういないのよ。
アサミは耐えられなくなり、ベッドに入ると掛け布団に包まり、壁際に身体を密着させて、震え出した。
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