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最高の女
第2章 掘り出しものには
そりゃあ驚いたさ。

走行距離3000キロ弱のコルベットが100万なんて。思わず自分の目を疑ったよ。

コルベットを知らないかい?

車の名前だよ。
国産じゃなくてアメ車のスポーツカーさ。
シボレーコルベット。
俺の憧れの車なんだ。

「これって、何でこんなに安いの?事故車の起こしとかなのか?」

俺は馴染みのカーショップの社長に聞いたよ。
自分の経験でわかる限り点検したが特に目立ったアラは無い。
エンジンルームも綺麗だ。
ニコイチかと疑ったが、そんな跡も見当たらない。

ニコイチとは、別々の車の前半分と後ろ半分を溶接でくっつけた車のこと。

2個で1台だからニコイチ。

悪い業者が、事故車の無事な部分を切り離して繋げて素知らぬ顔をして中古車として売る。
そんな車だから、もちろんちゃんと走るはずがないよな。

「そんなもの売ったら、うちの看板に傷がつくよ。うちは法律は守ってるし、ちゃんと走る車しか売らん。このコルベットも、どこもおかしくないさ。オークションとかじゃなくて、お客さんから買い取ったんだけどね」

社長がコルベットのピカピカのボディを撫でながら言う。

「いくらでもいいから、今すぐ現金で引き取ってくれって言うんだ。今、事務所にある現金は100万しかないと言ったら、それでいいって言うんだよ」

100万なんて...コイツは新車で1000万以上したC6だぜ。中古でも600万以上するだろう。
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