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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由


『もう、止めてくれ!』

 それを実際に声として発していたのか、それすら定かではなかった。だが、俺の内側の感覚において、おそらく彼女はこう答えている。

『なんで、止めるの?』

『と、とにかく……このままでは』

 自分の覚えた畏怖もそうだが、それ以上に彼女自身の心の方が問題だと感じた。自らの心の闇を少しでも埋めようと、こんなことを繰り返すのだとしたら――。

『松川さん、もう――よすんだ!』

 ――いずれ、松川土埜の心は、砕けてしまうのではないか。それが、俺の覚えた危惧の正体。


「今更、そんな風に言われても、許しませんから」

 それは、現実の言葉。それを耳にして、俺はハッとする。

 眼前では相変わらず、松川土埜が胸を上下に揺らし、俺を絶頂へと導こうとしていた。

 いなくなっていた快楽が、倍になって帰ってくる。

「さあ――私の胸で、イって!」

 彼女は左胸を押しつけて固定するようにしながら、右胸だけを上下に素早く振った。乳首がカリ首に擦れる感触が、ダメ押しのように俺を高めていく。

 そして――

「ダッ、ダメだ! ぐっ、――――」

 往生際悪く、限界を超えて我慢を続けた分、その反動は激しいものとなった。

「――――ぁ、あああっ!」

 ビュルッ! ――と弾けた白濁が、胸の間から一直線に吹き上がると、頭上を越えてようやく失速し、それが彼女に降りかかっていった。

「ああんっ! す……すごい!」

 顔面で迸る精液を受け止めて、彼女はなんとも満足げに笑う。

 だが、その眼差しは――やはり、空虚だ。




【第三章おわり】



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