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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第16章 エピローグ⑤ 誘惑?
「あまり、心配してくれないんだね」
「そうじゃない。信頼してるんだ」
「信頼?」
「ほら、以前仕事現場に行った時、瑞月はもう俺が心配するような弱い瑞月ではなかったから。俺にほとんど連絡して来なかったのだって、一人でちゃんとするんだって、そういう決意の表れだと思っていたし」
「ふーん」
嬉しいのか、そうでないのか、瑞月はその中間のような顔をしている。
「じゃあ、あの記事がホントだったとしても?」
「瑞月が自分で選んだ相手なら、俺は応援する。まあ……完全に気にならないかといったら、嘘になるけど」
「……」
暫く、じっとテーブルの上を見つめていた瑞月が。
「手、出して」
「手?」
「いいから」
言われるまま右手を差し出すと、瑞月はそこの自分の手を重ね、指と指を絡めてくる。
「私、あの時のままだよ」
「え……?」
「あのデートの夜の」
そう言われ、あの時の瑞月の乱れた姿が、脳裏を駆けめぐった。
ピクッと、思わず反応した俺の手を、瑞月はまた強く握る。
そして――
「この後、どうしよっか?」
瑞月はしっとりとした顔で、言った。
俺のこの人生は、この先も――
「み、ずき……?」
悩ましい選択の連続なの、かもしれない。
【了】
※かなりの長編となりましたが、最後までのお付き合い大変ありがとうございました。
また応援いただきまして、とても感謝しております。
こちらでは久々でしたが、なにか書けるようでしたら、その時にまた――