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第5章 楽しい一夜の裏側で

　彼女の形を確かめるように、数回往復した指先には彼女の愛液を滴るほどに浴びている。俺は次に中指を立てると、その指先を再度ひだの間に沿わせた。

　まだ開かれていない秘所は、しかし、ふんだんな液を満たすと、今にも決壊を予感させるまでに、ぴくぴくと揺れた。それは、コップの表面張力を彷彿とさせる。

　緩やかに流れゆく小川の水流を乱さぬよう、一切の力を加えずに慎重に確かめた。そして、小指と親指を脚のつけ根に押し当てるようにして、彼女自身を俄かに広げる。そうして、立てた中指を彼女の入口にそっと押し当てた。

　彼女もなにかを察したように、中途半端に広げた内股を小刻みにぷるぷると震わせた。閉ざしたいという気持ちと開け放ちたいという気持ちの葛藤が、そこに見て取れる。

「じゃあ、入れるね」

　あえて告げるが。

「あ……ん……ん……んっ……？」

　一向に言葉通りにされないことに、やがて彼女の方が焦れた。

　誘うように腰を小さく捩った、そのタイミングを見計らう――。

「あの、お兄――さっ!?」

　ズプン！

　差し込んだ中指は、思いの外深くまで一気に埋まった。