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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
一夜明けて――、とか。
そんな具合に安易な言葉を用いて、次の朝に飛びたいのは山々であった。少なくとも俺みたいな小説家志望の若輩者の紡ぐ物語ならば、間違いなくそのように新たな場面をリスタートしたくなる局面だった。
それぞれ各所に大小の火種を散りばめつつ、さて次は誰との話にしようかなどと、割と新鮮な気分で話を書き進めることも可能かもしれない。でもそれは、あくまでこれが小説だったらという仮定の上での話であって、もちろん日常は瞬間と瞬間の連続であり、小説のように飛び越えることはできない。
自分自身のことだから、他人事のように客観視することも叶わず、必要に迫られればそれ相応の落とし前をつけなければならなくなる。その意味では、最早抱えきれないくらいの状況だった。
バーベキューや花火を楽しんだのなら、その後片づけは必須である。それと同じように、否、それ以上に、だ。今この別荘に集う彼女たちの顔色を、俺は備に気にしておかなければならなかった。
それが、別荘の管理人という立場の上で片づけられる類のものならば、なにも悩むことはない。作業と割り切って、必要最低限のことを気に留めておけばそれで十分だ。