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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
小鳥たちのさえずりと、枝葉が風に揺らめく音が心地いい。まだ早朝と表現しても、間違ってない(であろう)時間のこと。
「みんな、まだ寝てる……か?」
車から降りた俺は、見慣れたはずの別荘外観を、おそるおそると仰ぎ見ている。けれど、そうすることで己の内のある種の気まずさが増大したように思え、誰に対したものか平静を装うと、歩を進めて別荘の方に進んだ。
玄関のドアノブを捻ると、ガチッと固い音がする。俺が留守の時は女子だけになるので、施錠は必須であると予てより言い含めてある。だから、これでいいのだけど。
車のキーと一括りになっている別荘の鍵を手にして、扉を開くと中へ入っていく。なるべく物音を立てないようにしてしまうのは、時間が早いからであり別に後ろめたさのせいではない、たぶん。
別荘の中へ入り、脇目も振らずに地下へと下る。ドアを閉じ、ホッと息をついた時だった。
「!?」
そこはかとない違和感を覚え、ドアの脇のスイッチで即座に照明を灯す。と、書斎の中を隅々まで見渡すまでもなく、違和感の『正体』が自らその存在を露わとした。
「むにゃ……むにゃん」
思わずドキリとする。寝言のような吐息もさることながら、その声の出所が、こんもりと膨らんだ毛布の中であることに、より驚かされてしまった。
俺のベッドで、何者かが寝てる?