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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 思わず、五月女さんことを押し倒していた。

 それでも彼女は冷静さを失わずに、すぐ近くにある俺の顔を直視して言った。

「涼一さん、いけません」

「なにが、いけないんですか?」

 今にもキスしそうな距離。お互いの息づかいを感じながら話していた。

「ですから、この様なことは」

「さっきまでの行為と、どう違うというんですか?」

 言いながら俺の右手は、既に五月女さんのスカートの中へ。

「あなたはどんな気持ち? 僕はそれが知りたいんです」

 黒のストッキングの太股を伝って下着へと届いた手。それを、摩るように動かしながら更に聞いた。だけど――

「私に、気持ちなどありません」

「なっ? ないわけ、ないでしょう!」

 思わず向けた感情は怒りにも似たもの。けれど大人の彼女が、その熱量に応えることはなかった。

 あくまで冷めて、五月女さんは言うのである。

「ありません。少なくとも涼一さんの前で、私がそれを見せることはないのでしょうね」

言葉の中に僅か滲んだように感じたのは、彼女の虚しさだったか。それを話そうとしないことに、まだ子供(ガキ)である俺だけが無性に苛立つのであった。

「くっ……!」

 その冷静さを崩してやろう、乱してやろう。俺はスカートの中に差し入れたの手で、闇雲に彼女の芯部をまさぐった、必死に。でも、どんなに指先を這わせてみても所詮は児戯ということなのだろう。

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