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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

まったく……このエロ女め。アニキに隠れたところで、どれだけ経験しまくってたんだよ。とにかく少しは反撃しないと、このままでは今後の関係にも影響しかねない。
いや……今後もつき合うのか、朱海(コイツ)と。
そう思った瞬間、俺の脳裏に姿を現したのは、金城陸矢だった。
『妹に手を出したな。僕に断りもなく――よくも!』
実際、陸矢のキレたところは見たことがない。それでもあの不良連中が大人しく言いなりになるのだから、やはりただ者ではないのだろう。なにより俺自身が、陸矢の纏う雰囲気に、ある種の危うさを覚えていた。
「なあ、陸矢さんて、怒るとどんな感じ?」
「急になに? エッチの最中にアニキの話なんてしないでよ」
「そのアニキに、こうしてるのがバレると、どうなるのか気になるだろ」
「うーん……少なくとも今、ここに現れたとしたら、まずは問答無用に頭を割られるんじゃない。その辺にある鈍器で」
「俺が?」
「もちろん」
ふと部屋の中を見渡す。
片隅に置いてある枝が方々に突き出た金属製のポールハンガー。なんとなく棚に飾っていた三十センチほどの等身の女神のブロンズ像。またベッドの下には三日坊主となった筋トレの名残、五キロのダンベルが転がっていることも思い出した。
そんなもので頭を強打される場面を想像する。そして次にドアを見て、それがいつ開くのかと考えてしまえば、背筋に冷たいものを感じずにはいられなかった。

