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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


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「なにを考えていたんですか、お兄さん?」

「え、いや……」

「それとも、なにかを思い出していたのかな」

 今は遊園地に向かう車中。助手席に座る夏輝木葉から、そんなことを問われ、俺は過去から連れ戻されていた。

 そして振り返った過去の出来事と、彼女は深く関係する。もう、そう断言してもいいのだろう。

「暑いんじゃないですか?」

「え?」

「お兄さん、額に汗が浮かんでますよ」

「あ、ああ……」

 慌てて拭った汗は、たぶん暑さのせいではない。

「エアコンを入れますね。もう別荘の辺りとは気候が違いますし」

「そうだね」

 夏輝さんがスイッチを押し、車内にエアコンの風が流れ出す。それを意識した刹那、不意を突くようにして、その質問が耳に届いた。

「他の女(ひと)のこと、考えてませんでした?」

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