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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
◆◆◆視点・岸本涼一◆◆◆
あれ、あの話の流れで、どうしてこうなった?
俺は頭の上に「?」を浮かべたまま、隣に夏輝木葉を乗せ、残り短い帰路に車を走らせていた。すると――
「あのですねぇ、お兄さん」
「え?」
「この世で、お兄さんとしかエッチができない女の子、とか。そんな都合のいい話、本気であると思いました?」
「いや、だけど――」
「確かに今までは、私も頑なすぎたようです。これからは、もう少し柔軟に生きてみようと思います」
「あの……そう思い直した、きっかけは?」
「うーん」
夏輝さんは、少し唸った後で。
「秘密でーす!」
なんだか、わからないけど。彼女が虚勢を張ってるようにも見えない。
「それと、一つ言っておきますが」
「なに?」
「あまり女子の気持ち、わかった気にならない方がいいですよ。多くの場合、お兄さんが考えてるより、ずっと複雑なんですから」
「そう? ……だよね」
ん? それは俺の独り相撲だったということか。いや、いくらなんでも、それは……。だって、ホテルでは、とてもいい感じで、その後も……?
もしかして、つっちーの時も高坂さんの時も、なにか思い違いあったりするのか。もしかして実は俺って、フラレ続けてない?
いやいや、まさかまさか。その点については、後でじっくり検証してみよう。
ともかく、夏輝さんがこれで立ち直ろうというなら、それは結構なことのはずであり。結果、俺がフラれることで済んだのなら――???