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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
△ △
金城陸矢たちの仲間となり、彼らを頻繁に家に出入りもさせた。そしてあの夜、俺は奴らに鍵を渡し、その結果として関わりのない一人の少女を酷い目に合わせてしまった。
どうして、陸矢たちと関わりを持ってしまったのか。どうして、もっと早くその危険さに気がつかなかったのか。
それから暫くの間、不登校になった俺は、家で起こったことの重大さを噛みしめながら、自分の愚かさを卑下する毎日だった。
そんな時に一緒にいてくれたのが、五月女日名子。当初は親父が俺の元によこした女と、そんな風に安っぽい反発心を抱き、彼女を必死に遠ざけようとした。
その結果としも、少女の悲劇に繋がってしまうのだ。
「涼一さん……お食事の用意ができましたが」
部屋の隅で膝を抱えて座る。そんな姿さえ、解りやすく落ち込んだポーズに思えて、自分の醜さに吐き気を覚えた。
「……食欲が、ありません」
「ですが、少しはお食べにならないと、お身体に障ります」
「いいんです。どうせ、死にそうになる前には、なにか食べます。僕はその程度の人間なんです。それに、あの子だって――」
「え?」
「――あの子は、ちゃんと食べられているんだろうか。そんな風にイチイチ考えてしまうんです。自分が普通に生活してていいのかって、自問せずにはいられない」
「順調に回復してると、そう聞いています」
「知ってるんですか?」
「状況の方なら、少しだけ」