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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


「まさか……。大体、どこをどう取れば信頼なんて言葉が?」

「以前、こう仰っていたわ。アイツはああ見えて、思慮深く保守的な男だって」

 俺は、ため息をついて。

「そして、臆病者で地味でつまらないって、そう続くんじゃありません? それは一つも誉めてませんよ」

「だけど、そちらに居る間の瑞月ちゃんの監視、かなり緩かったんじゃない? 少なくとも東京に居る時と比べたらね」

 そうかもしれないけど、実際監視はいたわけだし……。

 だけど五月女さんの話を聞く限り、俺が瑞月とどうにかなるとは考えてない、ということになるのか?

「五月女さんは、瑞月の置かれた現状を知ってるんですよね?」

「まあ、大体のことは耳にしていると思うけど」

「異常だと、思いませんか?」

「そうね……」

 噛みしめるような言葉を耳にして、俺は自らの決意を明かす。

「俺、瑞月を自由にしてやりたいんです」

「そう……でも、どうやって?」

「正直いって、わかりません。でも、できれば五月女さんには味方になってほしいんです」

「味方に?」

 もちろん信頼はしている。だから、監視を撒いたことも最初に話した。でも、親父の意志に反することで、協力を仰ぐことは、口裏を合わせる程度のこととは話が違うのだ。

 だから少しでも躊躇が感じられたら、無理にお願いすべきことではないとも思っている。

 だけど、五月女さんは――

「フフ、今更、なにを言うのかと思えば」

「五月女さん?」

「とっくに、味方でいたつもりよ。あの時、解り合えてから」

「……!」

 五月女さんの言葉をきっかけに、俺の脳裏に蘇るもの。

 それは夏輝木葉(名も知らぬ少女》)を深く傷つけてしまった、その悔恨に苦しんだ頃の――。

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